Interview成約インタビュー

LINEマーケティングの第一人者が選んだ圧巻の成長戦略、「人」「ビジネス」の両軸でマッチしたM&A

LINEマーケティングの第一人者が選んだ圧巻の成長戦略、「人」「ビジネス」の両軸でマッチしたM&A
譲渡企業
株式会社MARKELINK代表取締役 堤 建拓 様
本社所在地
愛知県名古屋市
事業内容
SNSマーケティング事業
譲渡理由
事業発展の為
譲受企業
株式会社TRAYD INNOVATION 代表取締役CEO 玉城 偉光 様
本社所在地
沖縄県那覇市
事業内容
サーチファンド事業
譲受理由
マーケティング分野における投資
株式会社MARKELINKは、LINEマーケティングの黎明期から市場の成長を支えてきたパイオニア的存在だ。この度、今後の更なる市場の成長と、業界における価値向上を目指しM&Aを決意。そこに名乗りを上げたのが、サーチファンドを運営する株式会社TRAYD INNOVATION だ。M&A後、ビジネスだけでなく生活も共にしているという両社代表に本件について話を伺った。

LINEマーケティングのパイオニアからさらなる高みを目指す、MARKELINK

まずは堤さん、御社の事業内容と創業の経緯を教えてください

堤氏:
弊社は、企業が行うLINEマーケティングの支援をする会社です。
私が26歳の時に英会話スクールを立ち上げ、集客を伸ばそうと使い始めたのがLINE公式アカウントだったのですが、導入後すぐに、無料体験レッスンから92.6%の人が入会に至るという高い成果が出ました。しかし当時はLINEをビジネスツールとして活用する企業は少なかったため、LINE公式アカウントの導入支援を中小企業に対して行えばビジネスとして成り立つのではないかと思い、創業に至りました。

先見性の高さと「0→1」のビジネススキルを併せ持つ堤氏      

堤氏:
LINEは他の集客ツールに比べて、圧倒的に短期間で成果を出すことができます。良いツールなのに使っている人が少なかったので、そこにビジネスチャンスを見出しました。経営者には新たなビジネスを生み出す「0→1」タイプと、事業を拡大していく「1→10」タイプがあるとよく言われますが、私は完全に前者だと思います。

M&Aを考えるきっかけはあったのでしょうか?

堤氏:
2年程前から、キャピタルゲインを考えてM&Aについて調べていました。最初は邪な考えから調べ始めたのですが、実際にアドバイザーの方とお話をするようになりM&Aに対する考え方は大きく変わりました。

LINEマーケティングの市場の良さは確信しているので、このまま会社を続けていったとしても右肩上がりに伸びていくだろうとは思います。ただ、それとは別の課題として「組織の運営」を考えた時、自分にとって得意かというと、そうではありません。今後、市場を伸ばしていくことや業界の中で圧倒的なNo.1になっていくことを考えると、他の会社に資本参入していただいて会社を大きくしていく必要があると考えるようになりました。

ペアキャピタル 引田との出会い

ペアキャピタルにお任せいただいた理由を教えてください

堤氏:
引田さんが担当してくれたというのが大きかったです。実は引田さんと出会う前、2,3社から同じようなお話を聞いていました。LINEマーケティングという特性からか、事業について100%理解してもらうのは難しいと感じていたのですが、そんな中で興味を持って確りと話を聞いてくれたのが引田さんでした。質問の角度が他の方とは違い、理解しようと質問してくれているのが伝わったので、上手くいきそうだと思い、お任せすることにしました。

そんな引田さんの第一印象はいかがでしたか?

堤氏:
これは今も変わりませんが、真面目で誠実な方という印象でした。

引田さんに関して自分も参考にしたいと思ったのは、とにかくレスポンスが速いこと。どんな時でも即レスしてくれて、私自身そういったところを大事にしながらビジネスをしてきたということもあったので、共感する部分もあり、尚且つ頼れる方だなと感じました。

TRAYD INNOVATION を選んだ決め手と玉城氏の第一印象は?

堤氏:
玉城さんが弊社の事業を深く理解してくれたことや、私の話を聞こうとしてくれる姿勢が決め手となりました。どの会社からもシナジーがあるだろうといったお話はあったのですが、私のやりたいことに理解を示し、且つサポートしてくれる、そんな角度で来てくれたのが玉城さんでした。

玉城さんの第一印象は、歳が近いということもあり「何でも相談できる気さくなお兄ちゃん」。本件に至るまで様々な会社を見聞きして疑心暗鬼になることもありましたが、お話しする中で信頼できる方だと確信し、彼に身を委ねてみようと思いました。

お相手探しをする中で、大切にされたポイントはなんでしょうか?

堤氏:
直感を信じて判断しました。私は本来、論理的に考えて物事を決める「石橋を高速で叩いて渡る」タイプの人間なのですが、今回に関しては初めて直感で動きました。玉城さんについていけば間違いない、そう感じさせるものが彼にはあったのだと思います。

ご従業員様に、本件の開示をしたときは驚かれたのではないでしょうか?

堤氏:
弊社のNo.2とNo.3には、会社の方向性として1年以上前から開示していました。会社をより大きくしていきたいこと、皆にとってもWin-Winなことであると説明して、事前に了承はとれていましたし、協力もしてもらっていました。他の従業員にはギリギリまで開示していなかったのですが、生活や待遇、あらゆる角度で良くなるしかないから決断したということを伝えました。全員、特に驚くこともなく、これからが楽しみだとポジティブな様子で受け入れてくれました。

沖縄から全国へ、サーチファンド型M&Aを推進するTRAYD INNOVATION

それでは次に玉城さん、御社の事業内容を教えてください

玉城氏:
弊社はM&A事業とサーチファンド事業を行っている会社です。
地方に貢献し大義を果たしたい想いと、地方の事業の高い成長率に着目して、地方の活性化にフォーカスした事業承継の支援やサーチファンドの推進に取り組んでいます。元々、地元である沖縄における社会課題を解決し、且つビジネスとしても成り立つものは何かと考えて創業に至ったのですが、沖縄だけでなく全国の地方にも波及させていけるだろうと感じているので、今後は全国展開も視野に入れています。

御社の経営戦略とM&Aをするうえで重要視していることを教えてください

玉城氏:
我々の最終目的がサーチファンドなので、M&A後も経営の継続意思があり、サーチャーとなって事業承継した場合もバリュエーションを上げていけるような若い経営者がいれば、積極的にM&Aをしていきたいと考えています。ただ、いくら目に見える数字が良くても、人が合わなければそれまでです。業種問わず、成長を目指す経営者の人柄を重視したM&Aを行っていきたいです。

堤氏の想いを受け、M&Aによるシナジーを確信

玉城氏:
堤さんからは、会社を高く売りたいという気持ちよりも、M&Aをするからには相手に良くしたいという気持ちが強く伝わってきて、彼とは人間関係という部分でマッチしていると感じました。ビジネスの面でも、私がこれまで培ってきたマーケティングの経験からMARKELINKに魅力を感じていたので、会社にとっても経営者個人にとっても非常にシナジーのあるM&Aになると確信しました。これも引田さんが事前にかなり深掘りしてくださって、最適なイメージが見えていたからこその結果だと思います。

今後はどのような事業展開を想定していますか?

玉城氏:
まずはMARKELINKを大きくしていくことです。LINEマーケティングというニッチな産業の中での影響力をより大きくしていくために、IPOも見据えてMARKELINKとシナジーのある会社をM&Aしてさらにアップデートさせていきたいと考えています。
グループ全体としては、堤さんのようなポテンシャルを持つサーチャーを100人は集めたいです。M&A を通じて、将来的にサーチャーになりえる若い経営者を集め、「若い経営者を最も多く集める会社」のポジションを目指します。

現在は沖縄県内の玉城氏のご自宅で単身赴任中の堤氏

堤氏:
(沖縄行きをご家族に反対されなかったかという質問に対して)家族は快く送り出してくれました。
玉城氏:
堤さんが来てくれて、家庭が明るくなったように感じます。私はビジネスの話をするのが好きなので、 話し相手ができたことが嬉しいです。ホストファミリーをしているような楽しさがあり、最近は娘から「パパが2人いる」と言われます(笑)。
堤氏:
私自身、大学時代にホームステイをしていた経験があるのですが、まさにその感覚です。現在週7で仕事をしているほど高いモチベーションを保てていますし、合間に玉城さんとゲームをしたりして楽しく過ごしています。

事業の面で変化したことはありますか?

堤氏:
玉城さんの持つネットワークを活かして、沖縄県内の名だたる大手企業に対して営業開拓しています。これまで中小企業を中心に営業していましたが、M&A後3か月経過した現在では中堅・大手企業にも営業できるようになり、様々な規模感のお客様が増えて嬉しいですし、ありがたく感じています。
玉城氏:
変わったことは大きく3つありまして、1つは堤さんも仰っていたように営業対象層が変わったこと。2つ目はブランドのようなものができつつあることです。MARKELINKは他社から見ても良い会社だという認識が統一されているので、ブランド認知が変わってきたことをひしひしと感じています。3つ目は、これまで堤さんが一人で背負ってきたものを分散させられるようになったことです。組織のマネジメントという部分を我々の方で巻き取れるようになり、堤さんのプロフェッショナルな部分を最大化できるようになったと思います。

最後にM&Aを検討する経営者の方にメッセージをお願いします

堤氏:
M&Aは単に会社を売るということではなく、私のように心情が180°変わるほどのドラマがあるものだということをお伝えしたいです。また、自分の会社の規模を拡大したいという、経営者であれば誰もが持つような夢や目標を叶える為の一つの手段として、今回の選択をして本当に良かったと感じています。そういった目線で、一度考えてみる価値はあると思います。
玉城氏:
会社を経営していると良いことも悪いこともあるでしょうし、全てを資料1枚で表すことはできないと思います。譲り受ける側はそれを踏まえて会社を背負う覚悟が必要ですし、勿論我々もその覚悟で本件に臨みました。後で揉めたり一方が負担を強いられたりしてM&Aが失敗に終わらないようにする為にも、覚悟やお互いに理解し合う気持ちは一番大事にすべきだと思います。

ありがとうございました。

担当アドバイザーコメント

MARKELINK社は創業からわずか3期で、売上、利益及び利益率、そして提供するサービスのクオリティのどれをとっても素晴らしい超優良企業として、LINEマーケティング業界での地位を築かれました。これもひとえに、MARKELINK社の創業者である堤氏と、堤氏自らが声掛けを行い参画してきた従業員の方々が、「お客様が求めること」を的確に捉え「最高のサービス」を提供されてきたが故の結果であると思料しています。
しかしながら堤氏は、順調な事業成長を牽引される一方で、ご自身の得意分野及び業界全体の状況を確りと読み切り、MARKELINK社が今まで以上の成長曲線を描いてゆく為には、より強力なパートナーと共に事業を展開していく必要があると考えました。
今回、MARKELINK社の株式を譲り受けられたTRAYD INNOVATION社の代表である玉城氏は、沖縄という地における広いネットワークと確かなマーケティング戦略及びスキルを持ち合わせています。企業のマーケティングという観点において、まだまだ発展途上ともいえる沖縄で、堤氏が持つ「LINEマーケティング」という特化した領域の圧倒的なノウハウを爆発的に広めていくことは、今後TRAYD INNOVATIONが国内外でマーケティング領域における存在感を発揮する為の第一歩になると、アドバイザーとして確信しています。
また事業領域や得意分野の相性の良さだけが、本件におけるシナジーではありません。堤建拓と玉城偉光という2人の人物の間には、決して他者からは得ること感じ取ることが出来ない「阿吽の呼吸」があります。むしろそれこそが、本件で創出することの出来る最大の相乗効果であるのではないかと、私は考えます。
現代においてM&Aという選択肢は、オーナー様のご年齢に関係なく企業が選ぶことの出来る平等で素敵な成長戦略であると、心の底から感じています。私自身、この2年間で15社以上の企業様のM&Aをお手伝いさせて頂いた中で、本件を含めてその大半は50歳未満のオーナー様でした。株式譲渡後もイニシアチブを持ちながら、今まで以上にご事業の成長を「楽しむ」ことが出来ているというお声を多く頂戴しております。
M&Aは、「企業の成長戦略のひとつ」であり、それ以上でもそれ以下でもないと考えています。但し、M&Aという選択肢を持たないことは、即ち成長戦略をひとつ捨てるということでもあります。どうかフラットな目線で、M&Aという選択肢を頭の片隅に置いておいて頂けましたら、大変幸甚に存じます。
引田 雄吾
シニアヴァイスプレジデント引田 雄吾
慶應義塾大学卒業後、株式会社TBSテレビに入社。経理部にて、会社全体の予算作成、業績予想に従事。事業推進部へ異動後は催事・興行・映画・アニメ・海外・配信・ライセンシング・ショッピング・新規事業等、多岐に渡るビジネスの戦略及び収支を統括。赤坂エンタテインメント・シティ構想にも参与。
ペアキャピタル入社後は、IT・マーケティングチームの責任者を務める。
全社MVP、売上高部門1位、アドバイザリー契約件数部門1位。

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