Interview成約インタビュー

更なる成長を求めて、配管メーカーと施工会社のM&A

更なる成長を求めて、配管メーカーと施工会社のM&A
譲渡企業
株式会社ピーエスジー鮫島 禎人 様
本社所在地
神奈川県横浜市
事業内容
給排水設備工事業
譲渡理由
後継者不在
譲受企業
ノーラエンジニアリング株式会社堀田 幸兵 様
本社所在地
東京都千代田区
事業内容
配管材製造・販売業
譲受理由
施行の内製化・積算の充実
株式会社ピーエスジーは給排水管工事業で着実に成長を遂げてきたが、将来的な後継者不在の課題を解決するべくM&Aを決意。そこに手を挙げたのが、衛生・空調用プレハブ加工管の製造販売を行うノーラエンジニアリング株式会社だ。両社の代表に今回のM&Aについて話を伺った。

積算・施工力を強みに給排水衛生工事を行う、ピーエスジー

まずは鮫島さん、御社の事業内容と創業の経緯を教えてください

鮫島氏:
弊社は一都三県を中心にビルの給配水設備工事を行う会社です。私は元々、大手設備工事会社に勤め、入社後、職人として現場を学び、その後は施工管理を行っていました。

創業の理由ですが、特に野心や独立心があったわけではありませんでした。退職をしていく若手社員を見ていて、より働きやすい環境を作ったらもっといい会社になるのでは?と同僚に話をしたら急に意見がまとまり、あっという間に創業することが決まりました。

創業にあたって、「不安」はなかったですか?

鮫島氏:
特にありませんでした。以前勤めていた会社は業界のパイオニア的な企業で、そこでは施工も管理も基礎から学び、高い水準でサービスを提供出来ておりました。なので、少数精鋭でやっていけば、何とかなるだろうと楽観的に考えておりました。

当時、同業で独立をするということは珍しいことでしたが、私の経歴を知っている人や当時の下請け業者から声をかけていただき、そこで実績を積み、次々と紹介の輪が広がり今も安定的に仕事の依頼を頂いています。

御社の強みは「施工から管理を高いレベルで提供できる」ということですね

鮫島氏:
そうですね。やはり現場を知るメンバーが施工管理をすることは他社にはない強みだと思います。前向きに働いてくれる社員のおかげで、弊社独自のノウハウがあったと思います。

M&Aを考えるきっかけはあったのでしょうか?

鮫島氏:
弊社宛や私の自宅にも様々な手紙が届いていたので、M&Aという手法は知っていましたが、自分には関係ないと思ってすべて捨てていました。

その時にきた、ペアキャピタルからの1本の電話

ペアキャピタルとの出会いを教えてください

鮫島氏:
普段は会社の電話には出ないのですが、たまたま私しかいないときに電話に出てしまったのが始まりでした(笑)。それが臼居さんでした。

ちょうど余裕のあるタイミングだったこともあり、M&Aをやるかやらないかではなく、まずは知ろうと思い、来社してもらうことにしました。

臼居さんの印象はどうでしたか?

鮫島氏:
誠実なスポーツマンという印象でした。まだ若く、家族もできてこれからという時に、安泰な大手企業を辞めてM&Aアドバイザーの道を進み始めて、目の奥に野望が見え、真面目さとやる気がにじみ出ていました。

臼居さんと話す中で、今のやり方で5年くらいはこのまま安定的に成長できると思っていましたが、その後は大変になるだろうということも見えていたので、従業員のためにもM&Aの可能性を追求しようと思いました。

ノーラエンジニアリングを選んだ決め手は?

鮫島氏:
1番自分の考えと近かったことが決め手でしょうか。ノーラエンジニアリングは前から知っていて、よく現場でもノーラエンジニアリングの商品を使って施工をしていました。実際に会ってみると堀田社長は穏やかで、確りとした考えを持たれていて、お互いの業務に干渉せず、その中でも共通項があり、シナジーがあると思いました。

お相手探しをする中で、大切にされたポイントはなんでしょうか

鮫島氏:
私はこれまで自分の直感を信じてきましたので、M&Aもそれを信じて判断しました。堀田社長の話を3分聞いて、きっと一緒になるのだろうと確信しました。

創業メンバーへ、開示をしたときは驚かれたのではないでしょうか?

鮫島氏:
実際、驚きはあったと思います。弊社は少数精鋭なので、M&Aは従業員にとって大きな影響があると思いました。なので、堀田社長を身近に感じてもらいたいと思い、最後のトップ面談では、責任者にも同席をしてもらいました。

配管の専門メーカー、ノーラエンジニアリング

それでは次に堀田さん、御社の事業内容を教えてください

堀田氏:
弊社はジョイントベンチャーでスタートし、創業メンバーの一人であった父から承継しました。創業以来、ステンレスのプレハブ配管の製造と販売を行っています。現在、建築躯体の長寿命化が進展する中、配管にも長年月の使用に耐えられる高度な耐久性・耐食性が求められています。このような時代のニーズに応えるべく、配管材のさらなる品質向上と施工性向上のために革新的な新工法の開発にチャレンジしています。

御社の経営戦略とM&Aをするうえで重要視していることを教えてください

堀田氏:
商品の製造・販売は行っていましたが、施工・管理の機能は持ち合わせていませんでした。グループに施工会社があればより顧客満足度の向上ができると考え、M&Aを検討していました。

鮫島氏の人柄と信頼できる実績から譲り受けを決断

堀田氏:
鮫島様は衛生設備工事分野において歴史のある会社の中枢で経験を積まれており、絶対の自信をもって施工・管理をされてきていることを面談の中でひしひしと感じました。また格式張らずに意見交換もスムーズに行え、グループで一緒に成長できると確信し譲受けを決断しました。

今後はピーエスジーのノウハウを取り入れ、元請案件を取っていくということですね

堀田氏:
はい、これまでピーエスジーは下請の仕事がメインでしたが、今後は一緒に元請けに対して、製造・販売・施工・管理が行えるということを強みに営業をしていきたいと考えています。

M&A成立後、両者の交流などは始まっていますか?

堀田氏:
今まさに、担当者レベルでの交流を活性化させながら、少しずつ連携をしているところです。すでに多くの現場でノーラエンジニアリングが製品を納品し、ピーエスジーが施工をしています。当初の想定通りの相乗効果が見込めそうなので、これからが楽しみです。

最後にM&Aを検討する経営者の方にメッセージをお願いします

鮫島氏:
会社が直面している課題はそれぞれ異なるので、一概には言えませんが、M&Aはあくまで手段であり、目的やゴールを持つことが大切です。今回、私は一緒に新たな挑戦をできるパートナーが出来て活力が沸きました。この先どうなっているかわからないですが、自分が引退する時には会社を1番良い状態にしたいと思います。
堀田氏:
譲り受け側からすると、今の会社に足りていない部分を補完するためにM&Aを実行するというのは言うまでもありませんが、それだけではM&Aの実現は難しいと考えています。一番大切なのは、相手方が一緒になった時に、どのような未来を想像してもらえるかだと考えています。こちらの要望を一方的に伝えるだけではなく、互いに尊重しなければ、M&Aはうまくいかないと考えています。

これまで我が子のように育ててきた会社を引き渡すのは、相応の覚悟が必要です。だからこそ、相手を尊重する姿勢を忘れずにこれからもM&Aを推進していきたいと考えています。

ありがとうございました。

担当アドバイザーコメント

私は元々JAに勤めており、当時は個人法人問わず様々な相続対策のご支援をさせていただいておりましたが、中小企業様の事業承継課題を目の当たりにし、自身の無力さを感じM&Aアドバイザーになりました。そのような経験から、私は絶対に期待に応えるという覚悟を持って本件を担当させていただきました。

本件は将来的な後継者不在の解消と、ピーエスジー様の強みの源泉である「施工力・育成力」を活かせるお相手を探すことが重大なテーマでしたが、様々なご縁が重なりノーラエンジニアリング様とお引き合わせすることができました。

今後、ピーエスジー様が現場で培った施工力と経験に基づいた商品開発や、ノーラエンジニアリング様のお取引先様への営業により更なる案件獲得などが見込まれ、将来的には様々なシナジーが期待できると考えております。
双方の強み・ノウハウを活かし、共に更なる成長・発展を遂げていただきたいと願っております。

最後に、
現在、日本全国における建設業界の後継者不足は、非常に深刻な課題と捉えております。
2022年の建設業界経営者の平均年齢は59.9歳です。その中でも後継者不在率は63.4%とかなり高い水準であり、多くの企業様が喫緊で事業承継問題に直面してしまいます。
また近年の世界情勢から、資材高騰による原価増大・利益の圧迫が自社の経営に悪影響を及ぼしており、就労者の平均年齢が高齢化している影響や、新規人材の採用難で、慢性的な人材不足を経営課題に抱えていらっしゃる企業様が、今後も増え続ける可能性が非常に高いと思料しております。
今後の経営戦略・事業承継の選択肢のひとつとして、M&Aをご検討いただけますと幸いです。
臼居 隼
ヴァイスプレジデント臼居 隼
大学卒業後、大手金融機関に入社。
個人及び法人向け資金運用コンサルティング業務、オーナー経営者の相続対策等の業務に従事。
企業の存続や事業拡大、後継者不在の中小零細企業のM&Aによる社会的意義を実感し、税理士法人系M&Aアドバイザリー会社に転身を決意。M&Aアドバイザーとして業種・規模・エリアを問わず幅広く経験を積み、ペアキャピタルに入社後は、建設・建築関連業界の責任者を務める。

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